ユーラシア経済ニュース

日本であまり報道されない、ユーラシア大陸の経済ニュース記事を翻訳して紹介しています。

ゆっくり資本主義新聞は「近代批判」をテーマにしたウェブメディアです

ゆっくり資本主義新聞とは何か

 

 ゆっくり資本主義新聞は、YouTubeチャンネル「ゆっくり資本主義チャンネル」を運営する世界知太郎(せかいしるたろう)による世界の政治・経済情勢を解説するウェブサイトです。テレビや主流メディアを見ているだけではわからない世界情勢や企業活動、思想や哲学・宗教に関する記事をアップロードしていきます。

www.youtube.com

 

 世界知太郎は無論ペンネームですが、筆者は東京大学経済学部卒業、ドイツ留学や官公庁勤務、投資ファンド設立などを経て、現在もBloomberg、Reuterなど海外ニュースサイトを日々渉猟して日本のマスコミでは報道されない事件や出来事についてウォッチしています。

 その一部はYouTubeでもコンテンツとして配信していますが(たとえば経済安全保障を取り扱ったhttps://youtu.be/dARjGrBJosMなど)YouTubeというプラットフォームの性質や動画というメディアの特性上伝達が難しい内容も多々あります。


 YouTubeチャンネルを広めるために、TikTokInstagramといったSNS向けにコンテンツを制作して投稿する、という実験をしてみました。動画の内容をスライド的に画像にまとめ、スワイプを促す仕掛けを作ることで予想以上の「いいね」とフォロワー数を獲得することができ、ある程度の手応えはありました。


 しかし、いま人類が直面するデジタル社会においては、冷静に文章を読み、情勢を分析し大勢に流されることなく考えることが重要であり、それに反するコンテンツを作り続けることには我慢がならないという考えに至りました。脊髄反射的なショートコンテンツではなく、じっくり読めるようなものを配信しなければダメだ、またそのような読解力のある読者に向けて発信しなければということで、新たに「ゆっくり資本主義新聞」としてウェブメディアを立ち上げて発信していくことにしました。

 

近代批判としてのゆっくり資本主義新聞

 ゆっくり資本主義新聞の基本的なスタンス、作業仮説は「近代性の行き詰まりが現代社会に不要な問題を創出している」というものです。近代性とはたとえばリベラル民主主義、合理主義、科学主義、進歩主義、理性主義、啓蒙主義など、いわゆる「西洋近代」として把握される種々の思想のことです。無謬性を標榜する科学、その裏返しとしての科学の全面的な否定、「社会はかならず良くなる」という純朴な進歩主義、「話せばわかる」というような啓蒙主義、「誰もが自分らしく生きなければならない」というロマン主義的リベラル思想など、問題を解決しようとして新たな問題を生み出す人間知性のバグはほぼすべて、近代に誕生した思想にそのルーツを見つけることができます。
 日本は明治維新後の急激な近代化の過程で、東洋的・日本的な思想や哲学を捨て去り、「西洋近代至上主義」を強烈に推し進めることで一国民国家としての地位を確立してきました。その副作用として、「近代性」なるものが、本来異色のものであり適切な距離を持って付き合わなければならない、日本ばかりか人類にとって「特異」な思想であるということが等閑に付されたままうやむやにされてしまっています。
 こうした話は特定の国家や人物、宗派や組織を糾弾して済むことでもないため、共産主義(左派)や保守主義(右派)などといった明示的にわかりやすいカテゴリに収めることも困難です。あえて言えば見出しにつけたとおり「近代批判」であり、特定の具体的な実在する人間や組織に対する批判ではないため、「この世には良いことを考える人と悪いことを考える人がおり、悪いことを考える人を批判するものだ」というような図式で考えている人にはなんなのかわからない、ということになります。私自身も「自分は何と闘っているのか」と疑念に襲われたことは一度や二度ではありません。
 しかし今必要なのはこうした「近代批判」です。グローバル化やデジタル化が極度に進展し、これまでの政治や経済、社会や文化が大きく変わりつつあるいま必要なのは、個々の出来事の現象面だけを捉えて右往左往するのではなく、「近代」という大きなパースペクティブから日々の生活や社会を捉えることです。
 このゆっくり資本主義新聞はそのパースペクティブを提供し、令和以降の人類社会や経済、文化を考察・構築していくための独立系ウェブメディアです。もともとは「ゆっくりMovieMaker」というソフトで制作された動画を総称して「ゆっくり動画」とか「ゆっくり解説」と言われるもので、私のYouTubeチャンネルも「ゆっくり動画で資本主義に関するあれこれを扱う」ということでゆっくり資本主義チャンネルとして開始しました。

 脳の報酬系を刺激するだけの麻薬的コンテンツから乖離して、落ち着いてゆっくり考えることが人類には不可欠です。このような状況では、「ゆっくり」という言葉もいままで述べてきたような私の趣旨に妙にマッチするだろう、ということで、このサイトの名称も「ゆっくり資本主義新聞」ということにしました。

 本体はhttps://yukkuri-capital-paper.comというサイトで掲載していますが、派出所的にnoteやはてなブログにも記事を掲載していきます。よりディープでコアな内容は公式サイトの有料会員限定で配信することを予定しています。

 

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